「敬老の日に考えたい、転ばない体づくり」
- 2026年9月20日
- 医療コラム
明日は敬老の日。ご家族と過ごす方も多いこの機会に、ぜひ一度考えていただきたいのが「転倒」のことです。高齢者の骨折は、その後の生活を大きく変えてしまうことがあります。
なぜ転ぶのか、理由は一つではない
転倒というと「足腰が弱ったから」と考えがちですが、実際には複数の要因が重なって起こります。筋力の低下でつまずいた時に踏ん張れない、バランス能力の低下で体勢を立て直せない、視力の低下で段差に気づけない——こうした変化が少しずつ進み、ある日転倒という形で表面化します。
転倒が「その後」を変えてしまう理由
高齢の方が転倒して骨折すると、安静にしている間にさらに筋力が落ちてしまうという悪循環が起こります。また「また転ぶかもしれない」という不安から外出を控えるようになり、活動量が減ってますます体力が低下する——このパターンは非常に多く見られます。骨折そのものより、その後の生活の変化のほうが影響が大きいのです。
ご家族が気づけるサイン
歩幅が狭くなった、手すりや壁に手をつくようになった、椅子から立ち上がる時に時間がかかる、すり足気味になってきた——久しぶりに会った時こそ、こうした変化に気づきやすいものです。ご本人は自覚していないことも多いので、周りの目が大切になります。
今日からできること
① 家の中の環境を見直す 転倒の多くは屋内で起こります。段差、電気コード、滑りやすいマットなど、身近な危険を減らしましょう。
② 椅子からの立ち座りを繰り返す 特別な運動でなくとも、日常動作を意識的に繰り返すだけで下肢の筋力維持につながります。
③ 骨の状態を知っておく 骨粗鬆症は自覚症状がないまま進みます。転んだ時に骨折するかどうかは、骨の強さに大きく左右されます。
気になることがあれば
当院では骨密度の測定を行っており、リハビリスタッフによる歩行やバランスの評価にも対応しています。「最近ふらつくようになった」「親の歩き方が気になる」——そんな段階でのご相談が、転倒を防ぐ一番の近道です。ご家族と一緒にお越しいただいても構いません。