急に寒くなった日に、ぎっくり腰が増える理由
- 2026年10月18日
- 医療コラム
朝晩の冷え込みが一段と強くなってきました。この時期になると増えるのが、ぎっくり腰での来院です。「ただ顔を洗おうとしただけ」「床のものを拾おうとしただけ」——そんな日常動作で起こるのが、ぎっくり腰の怖いところです。
なぜ寒くなるとぎっくり腰が増えるのか
気温が下がると体は熱を逃がさないよう血管を収縮させ、筋肉への血流が減って柔軟性が落ちます。固くなった筋肉は、伸び縮みに対応する余裕がありません。そこへ急な動きが加わると、筋肉や筋膜が引き伸ばされた瞬間に損傷が起こります。夏場なら問題なかった同じ動作でも、寒い朝には耐えられない——これが季節によって発生率が変わる理由です。
「重い物を持つ時」より危ない動作
重い物を持ち上げる時は、誰でも身構えて慎重になります。実際に多いのは、中腰でひねる動作と起き上がり・立ち上がりの動作です。洗面台で前かがみになる、ソファから勢いよく立つ、車から降りる——こうした「力を入れているつもりのない動作」ほど、無防備なまま腰に負担がかかります。
特に注意したい時間帯
一日のうちで最も危ないのが朝起きてからの1〜2時間です。寝ている間に体温が下がり、筋肉も固まったままの状態で活動を始めることになります。「起きてすぐ」が一番リスクが高い時間帯だと覚えておいてください。
今日からできる予防
① 布団の中で体を動かしてから起きる 膝を抱える、寝返りを数回打つ。それだけで筋肉に血流が戻ります。
② 低い位置の物は膝を曲げて取る 腰だけを曲げる動作が一番負担になります。面倒でもしゃがむ習慣を。
③ 腰まわりを冷やさない 室内でも、腰が出る服装や薄着は避けましょう。
なってしまったら、安静にしすぎない
以前は「とにかく安静に」と言われていましたが、現在は痛みの許す範囲で動いたほうが回復が早いことが分かっています。ただし無理は禁物で、どこまで動いてよいかの線引きは状態によって異なります。当院ではリハビリスタッフが評価した上で、その方に合った動き方をお伝えしています。繰り返している方は、根本的な原因を一度確認してみませんか。